4人に1人は「無気力社員」?! あなたの社員のやる気を測る12の質問
日本のエンゲージメント度は139ヵ国中132位
米国ギャラップ社が世界各国の企業を対象に実施した従業員エンゲージメント調査によると、日本は139カ国中132位という最下位クラスという結果。
戦後は日本的経営で世界に冠たる経済大国になり、1955〜70年代の高度成長期においてはコマンド&コントロール(指揮統制型)で多くの企業が成果をあげられていました。
その時代の日本的経営の三種の神器と呼ばれていたのが「年功序列」「終身雇用」「企業別組合」。
しかしながら、「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と、トヨタ自動車の豊田章男社長の終身雇用に関する発言が話題となったことも記憶に新しいのではないでしょうか。
この落差を改善するにはどうすれば良いのか、経営者の誰もが模索しているのが現状です。
課題はミレニアル世代(日本で言う所のゆとり世代やさとり世代、さらにはその上のプレッシャー世代を総称した世代)と日本的経営の中で社会人としての経験を積んできた世代との考え方や求めていることの違いを知り、コミュニケーションを取るということだと考えています。
主な原因は上司側にあると言われると、頑張っている管理職、経営者は辛く、徒労感を感じるかもしれませんが、時代や価値観が変われば、人事やマネジメントも変わらざるを得ないのです。
「上司と部下が一緒になってどう結果を残すのかということ。」
「部下をどうやって成長させていくかを考えてマネジメントすること。」
これらが上司の重要な役割なのです。
無気力社員の24%が自分に合った仕事に就いていない!?
ギャラップ社の調査における『無気力社員』についての多くが、自分に合っていない仕事に就いていると考えられています。これまでは弱みや苦手を克服するために上司も多くの時間を費やし、できない事へのストレスから上司と部下のそれぞれが良いコミュニケーションを取れる状態ではなくなってしまい、社内の人間関係の悩みをかかえる割合も増える一方です。
上司が部下の関心事や強み、得意なことを知り、それを活かせる部署や仕事の進め方を一緒に考え、部下の成長を後押しできるようになれば、無気力社員の半数ほどが活性化すると考えられています。
ギャラップ社のジム・クリフトン会長兼最高経営責任者(CEO)の話によれば、米国での上司のマネジメントの考え方が変わったのは、様々な業界で自由化が進み、競争が激しく経営も厳しい状況に追い込まれた時に、『強みを伸ばす』ことに注力したことでエンゲージメントが高まり生産性も上がったということ。
強みを伸ばし、エンゲージメントの高い社員を増やせば、業績向上に繋がるということです。
ギャラップ社の統計調査によって、次に紹介するQ12(キュー・トゥエルブ)の質問の点数が上がれば上がるほど、企業の業績(生産性、利益、社員定着率、顧客満足度)が比例して上昇するということがわかっています。
【組織エンゲージメントを測るツール】アメリカギャラップ社のQ12
ギャラップ社が全世界1300万人のビジネスパーソンを調査し、導き出したエンゲージメントを測定するたった12の質問が「Q12(キュー・トゥエルブ)」です。
Q12(キュー・トゥエルブ)を測定するための12の質問
私は仕事の上で、自分が何を期待されているかがわかっている。
私は自分の仕事を正確に遂行するために必要な設備や資源を持っている。
- 私は仕事をする上で、自分の最も得意とすることを行う機会を毎日持っている。
- 最近一週間で、良い仕事をしていることを褒められたり、認められたりした。
- 上司または職場の誰かは、自分を一人の人間として気遣ってくれている。
- 仕事上で、自分の成長を励ましてくれる人がいる。
- 仕事上で、自分の意見が考慮されているように思える。
- 自分の会社の使命/目標は、自分の仕事を重要なものと感じさせてくれる。
- 自分の同僚は、質の高い仕事をすることに専念している。
- 仕事上で、誰か最高の友人と呼べる人がいる。
- この半年の間に、職場の誰かが自分の進歩について、自分に話してくれた。
- 私はこの一年の間に、仕事上で学び、成長する機会を持った。
これらを
□完全に当てはまる(5点)
□やや当てはまる(4点)
□どちらともいえない(3点)
□やや当てはまらない(2点)
□完全に当てはまらない(1点)
で採点するだけです。
上記の質問がすべての企業や日本人の感覚に適しているかどうかは別に考えてみる必要があるとは思いますが、それでもいくつかの項目は【1on1ミーティング】ですぐにでも取り入れることができます。
部下の個性や強みを上司が理解することがエンゲージメント向上の鍵だということですね。