『部下が率先して動く』ことができる環境を整えるとは

上司のイライラと部下のホンネ

前回のブログで
「人を動かす」ということは「人の“心”を動かす」ことであるということ、
「人が率先して行動する」ということはまず「人の心を動かす」こと、
ということにフォーカスしてお伝えしました。

経営者やリーダーたちから現状の悩みや問題をヒアリングすると、「部下が自分の言った通りに動いてくれない」「言われたことはやってくれるけれど、それだけで、それ以外のことにはやらない。」「言われたこと以外は、言われないと気がつかない」という声が多く聞かれます。

あなたのチームはどうですか?

このようなブログを書いている私自身も同じような状況にあります。

でもこれは、どのような経験を積み重ねてきたのかということに起因し、部下やメンバーたちの気質の問題とは違うと感じます。

たとえば、「○○をやっておいてください。」という指示をして、その後「○○ができました。」と報告があります。

上司は「○○」ということをやれば次は「□□」ということがわかると自分の経験から考えています。

もう、何回かやってきていることだから、上司は一から十まで指示することなく、部下から「次は□□ですね?いつまでにあればよろしいでしょうか?」などと言って欲しいと思っています。

ところが、ひとつのコマンドは一つずつ完了するのが当たり前という習慣の部下たちからは、上司の期待している言葉が出てきません。

上司は「全部言わないとわからないのか!?」とイライラ顔。

イライラした気分のまま「A君、次は□□やっといてね。あぁ、明日の午後までによろしく頼むよ。」

部下のA君からすると『明日の午後までにと言われてもなぁ。他にもやらなきゃいけないことあるのに。それなら最初から言ってくれれば良かったのに。』と思っているかもしれませんね。

まず、今の若手の社員たちの学生時代のアルバイト経験はと言うと、多くが飲食店、ファストフード店などで接客や厨房などでの調理補助が多いと思います。

そのアルバイト業務を例にして考えてみればよくわかるのですが、どの仕事もマニュアルというものがあり、その通りに仕事をすることが望まれ、それ以外のことは「余計なこと」なのです。

だれもが一定の品質で商品を提供できる仕組みとしては、マニュアルも悪いものではありませんし、今介護の現場や美容室などの技術やサービス提供の場においてもISO9001の取得を要望するところが増えてきているようです。

マニュアルにあることを忠実に守ることが課せられる環境のなかで『お金を稼ぐ』経験をしてきたならば、言われたこと以外は「余計なこと」という概念が身についてしまっていても仕方ありません。

組織ごとに自分たちの『仕事の意義』や『顧客にとってどのようなサービスを提供することが価値として認められるのか』などを話し合い、自分たちのブランディングをしっかりと共感することが大切だと思います。

それともう一つ、人はビジネスの取り組み方として大きくは2つのタイプがあります。

目標指向型状況対応型です。

簡単に言うと、自分の与えられた仕事を期日までにきちんと手順や時間を決めて、計画通りに進めたい目標指向型のタイプ。
おおまかに計画は立てるものの、その通りにならなくてもストレスを溜めないタイプで、目の前のことから実行していくタイプがあります。

その仕事の仕方を上司が理解し、部下に対して仕事のオーダーの方法を工夫するだけで、お互いにストレスなく進めていけるようになります。


「人が自ら率先して動く」には。

「人が自ら率先して動く」ためには何が必要か?ということですが、人は皆自分の「欲しい」と思った事に対しては誰に何を言われなくても行動していませんか?

アメリカの心理学者アブラハム・マズローは「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と過程し、『欲求五段階説』というのは有名です。

マズローの欲求5段階説

まずは生命維持のための生理的欲求

「のどが渇いた」「おなかが空いた」「眠りたい」という生きるために満たしたい欲です。

次に安全の欲求

安全とは「自分に対して危険が及ばないか、攻撃されないか」ということ。

身の安全だけではなく、心の安全も満たす必要があります。

次には所属と愛の欲求

簡単に言えば、「誰かと繋がりたい」「一緒にいたい」「誰かと関わっていたい」という欲求のこと。

そうして所属する組織や仲間が増えると次には「承認欲求」という自分の存在価値を認めてもらいたいという欲求。

それが満たされていることが「自信」にも繋がります。

そして最大限の欲求とは「自己実現の欲求」です。

「自分の能力を発揮して自分にしかできないクリエイティブな活動をしたい」「夢を叶えたい」ということです。

人の「満たしたい欲」というのはこのように5段階に分かれていますが、コミュニケーションによって大きく変えられるものとは何かということに着目してください。

「安全の欲求」の中でも「心の安全」については伝え方、話し方などで満たすことができます。

「所属と愛の欲求」においても企業や組織での生産性をアップする秘訣は「心の安全性」と言われており、まずは「心の安全」を満たした上での繋がりを求めています。

承認欲求については「相手を認めること」ですから、まさしく伝え方やコミュニケーションによって大きく満たされることができます。

組織やチームにおける「安心感」と自身を認めてもらえているという「存在意義(自信)」を満たされる環境の中で、人は安心して発言やチャレンジといった行動を自発的に行うことができ、それが自己だけではなくチームや組織の成長に繋がるということが様々な研究でも発表されています。

『人が率先して動く』という環境を整えるには組織の人間関係を整え、コミュニケーションを良好に築くということが重要なのです。

自分が「目標指向型」あるいは「状況対応型」どちらだと思いますか。
また、あなたの部下はどっちのタイプだと感じますか?
自分のタイプを知り、相手のタイプを考えることで、コミュニケーションの質はぐんと上がります。

池内浩子
池内浩子

有限会社デジタルプラネッツ代表取締役。

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