チームビルディングにおけるリーダーの陥りやすいポイントとは
失敗が学びの最大チャンス
リーダーの育成、リーダーシップ発揮のトレーニングなど、各企業様において人材の育成には研修なども含めて様々な取り組みをされていることと思います。私も自社のスタッフの育成については、社外、社内研修を積極的に取り入れている方だと思います。
また、リーダーという責任ある立場として起用して、その立場としての思考や振る舞いができるかどうかの段階を見極めながら、ある程度の裁量を委譲し、チームの運営などを任せています。
リーダーシップを学ぶには、チーム運営が一番手っ取り早く学べ、様々な課題にぶつかり気づきが多いポジションだと思います。
しかしながら、失敗するケースもあります。
例えば、チームの運営を任されて、様々な問題を改善、解決しようとアイデアを出してきます。
「変化」はそれを必要と感じる人が起点となり、リーダーシップを発揮していくものだと思います。
ですから、チームリーダーとしてすべて「良かれ」と思った提案(アイデア)に対し、チームのメンバーは喜んでくれるものと期待してミーティングを開いて『さあ、頑張って達成しよう!』と声を掛けます。
チームの一人ひとりに課題を認識してもらい、解決のための行動を促し、実行させて成果を出してもらおうと心をくばります。
それがうまく行っている間は良いのですが、徐々に歪みがでてくることも多々あります。
私もそういったことは数多く経験してきました。
その時が学びの最大のチャンスなのです。
人は誰しも上手く行っている時には、自らわざわざ粗を探して改善しようとはしません。
できれば慣れたことや、特に問題と感じていなければ変えたくないのが本音です。
しかし、一旦歪みがでてきたり、仕事の条件や環境が変わったなら、自分たちの考え方や行動も修正する必要があります。
ものごとを多面的に見る
リーダーはそこで自らの考え方だけに固執するのではなく、助言を求めることを自らに課す必要があります。
自分のアイデアに固執し、同じ立場や同年代の話しやすい人たちとのコミュニケーションにとどまっていてはいけません。
多くの知見を持つ上司などに助言を求め、ものごとの問題を多面的にみる習慣を身につけることが大切だと思います。
私の職場はデザイナーが多く在籍していますから、たとえ話として目の前にあるモノで説明します。
たとえば、目の前に片方に持ち手がついたマグカップがあるとします。
向かい合わせで話している場合、「私からは持ち手は右にあるように見えています。あなたからはどう見えますか?」
もちろん向かい合っているので、相手からは「左に持ち手があります。」ということになります。
「お互い同じモノを見ているのに、見え方が違う。真実は一つだけれども、人の感性や立場によって見え方が異なることを知る必要がある。」ということを伝えています。
「一水四見」若いときに人生の大先輩に教えていただいた言葉です。
それをできるだけ多くの機会を持って伝えていきたいと考えています。
人間関係が難しいのは、相手がいるから。
職場の悩みの多くは人間関係が絡んでいます。
「なぜ、あの人は私の言うことを聞いてくれないのか」
「いつも会議で発言する私ばかりが損をしている」
「あなたたちの事を思ってアドバイスしているのに、なぜ言い訳ばかりするの」
「言っていることは正論だけど、言い方ってあるよね」
「なぜ、自分ばかりしかられるの」
これらの心のモヤモヤ、悩みを一度も考えたことがない人はいないのではないでしょうか。
そして、最悪のケースは、課題そのものから目をそらしたり、環境を変えたり、言い訳したり、問題そのものへのアプローチよりも、今その課題を避けて通ることなのです。
相手によかれと思ってしたことが、相手にとっては余計なお節介と感じたり、口出しするよりも見守ろうと思っていたら、相手はこんなに辛い思いをしているのに、あなたのことを冷たい人間だと思ったり。
気持ちのすれ違いはいつもどこかで起きています。
人は誰でも家族、職場、友人、など、何らかのコミュニティに属していて、たった一人だけでこの場所に存在しているのではありません。
だからこそ、人間関係が難しいのです。
人は一人ひとりの感性、価値観、ものごとの捉え方、考え方なども人それぞれです。
そういった人の心のインサイトを理解し、アプローチを変えるだけで、周りの人たちとの関係性が改善し、チームとしての成果をあげることにつながります。