『リーダーシップ』を発揮するための要素と鍛え方とは。 『リーダーシップ』は、組織を構成する全員が持ち得るものです。
従来であれば【リーダーシップ】と聞くと、ほとんどがチームや組織などのリーダーがチームのメンバーに対してグループをまとめ、望む成果を得るためにチームを鼓舞し、指示命令するようなイメージをもたれていました。
強制的な指示でメンバーを動かし、短期間で成果を出すスタイルで、単純業務が多い場合や、緊急対応を求められる場合には効果的ですが、現在ではリーダー職や管理職以外のメンバーにおいても、それぞれがリーダーシップを身につけることが求められています。
事業環境の変化のスピードが年々加速されていき、女性活躍推進、働き方改革などの従業員のダイバーシティ(多様性)推進も大きく影響していると思います。
現状の多様性というのは、性別や人種の違いに限らず、年齢、性格、学歴、価値観などの多様性を受け入れ、広く人材を活用することで生産性を高めようとするマネジメントを推進し、有能な人材の発掘、斬新なアイデアの喚起、多様なニーズへの対応を言います。
外国人、介護、子育て中の世代など、働くメンバーの環境への配慮なども含めると、同時に1人のリーダーで束ねていくことが難しくなっています。単に多様な人材が集まっているだけの組織では、秩序や生産性が失われてしまうことも考えられます。
多様性を企業の力に変えていくためには、メンバーそれぞれがリーダーシップを発揮し、シナジーを生み出していく必要があります。また、メンバーの特性に合わせたリーダーシップを発揮できる【リーダー】の存在が不可欠です。非リーダー・リーダー共に、多様な価値観の中でリーダーシップを発揮できる人材が求められています。
リーダーシップを発揮するために必要な要素とは。
1.コミュニケーション能力
様々な業務を担当するメンバーの進捗や状況を正しく把握し、適切なアドバイスやオファーをするにも、第一に必要になることは「信頼関係を築く」ことができているかどうかです。
自身が高い能力を持ち、安定したパフォーマンスを発揮する有能な人材であったとしても、リーダーシップを発揮して多くのチームメンバーや部下を率いるためには、何よりもメンバーからの信頼を必要です。
「信頼できない」と感じる人には、チームワークを必要とする場合、従うことができなくなります。
「周囲の人を動かす」ということは、周囲の人の心を動かし、チームや組織として共通の目的に向かって行動するということです。そのためにはリーダー自身の考えや思いを適切に伝え、自分自身を理解してもらうための努力と相手の言動を正しく理解するためのコミュニケーションが必要不可欠です。
これらと同等に必要とされることは人に対して誠実であることと、反発や批判を寄せられる場面においても、冷静な態度を保ち、相手の意見を受け止める寛容な対応、精神力が必要となります。
2.決断力がある
プロジェクトの多くには納期や予算、求められる品質など、様々な条件があります。たとえば、業務を行う時に前提条件が変更されることは多々看られることです。工程の増加や納期の短縮、外注予算の圧縮など、臨機応変な対応が求められる事も多々あります。そういった状況で業務を無事に完了させるためには様々な確度から多くのアイデアを求められます。そして考え出したアイデアの中から1つを選び、自らの責任として決断することはリーダーシップを求められる過程で多々求められます。
3.発想力がある
リーダーシップとは、組織やチームとしてのビジョンを描き、進むべき方向を見せることも重要な要素です。
革新的なアイデアを生み出す発想力を持つためにも、学ぶ機会に積極的に参加したり、人脈の構築も必要です。
4.行動力がある
リーダーシップを発揮して、組織やチームを牽引していくためには行動力が必要です。
チームのメンバーや部下にチームビジョンを理解してもらうために必要なことであれば、率先してアクションを起こせる
行動力はリーダーシップの中で重要な要素です。
リーダーシップ能力の鍛え方。
1.コミュニケーション能力
コミュニケーション能力で書きましたが、日常からメンバーとのコミュニケーションをしっかりと取っておく必要があります。指示や確認を最小限に抑えて業務を一任できるようになるための「信頼関係」を構築しておくことがチームの生産性の向上やチームメンバーの自立に繋がります。
また、仕事以外の人間関係を充実させることも重要です。コミュニケーション能力を高めるためにも、様々な年齢や業種の人々が集まるコミュニティや社外研修に参加することも良いチャンスです。
2.傾聴
傾聴ということが、若手のリーダーにとっては難しいことかもしれません。傾聴とは、相手の声に耳を傾けてしっかりと話を受け入れることです。ただ話を聞くだけでなく相手の考えや思い、価値観を受け入れ、尊重する姿勢を持つことが重要になります。その際にペーシングを心がけると良いでしょう。
ペーシングとは、声のトーンや大きさ、話すスピードなどを、話し相手に合わせることです。話すペースを合わせることにより両者の間に一体感が生まれ、相手に安心感を与えます。
業務に関する相談や報告を受ける際に傾聴やペーシングを行うことで、相手は「自分のことを理解し、共感してくれる」「この人と話していると安心する」と感じ、信頼度が深まります。
3.意志決定
日常的に意志決定を訓練することをオススメします。ビジネスの環境の変化は早く、提案の完成度を高くするために時間をかけるよりも、拙速であってもスピーディーに対応することを求められる場面が多々あります。
その場合、個人の勝手な判断でものごとを進めると大きなミスや、会社に損害を与えることも少なくありません。普段から上司の判断基準や、情報収集の質や量などを看取り稽古のつもりで練習しましょう。
上司も普段からそのようなコミュニケーションを十分に取れていると、リーダーの判断を信頼し、安心して任せることができます。