ロイヤルティーとエンゲージメントの違いは? 人材の育成・活性化はマネジメント最大の課題
企業と従業員との間において、エンゲージメントとロイヤルティーとは同じような使われ方をしていますが、微妙な違いがあります。
ロイヤルティーは会社や組織への忠誠心という意味を持っています。
しかしながら、令和となって、記憶に新しいと思いますが、トヨタ自動車の豊田章男社長の発言で「終身雇用を守っていくことが難しい局面に入ってきた」と。経団連の中西宏明会長も、終身雇用については「制度疲労を起こしている」という発言も。
そのような環境の中で、ロイヤルティー【会社や組織への忠誠心】が果たして保たれるでしょうか?
40年前の昭和は、一度勤めた会社には定年まで勤め上げることが当たり前とされていた時代。
企業は右肩上がりで成長を続け、企業に属して真面目に働いてさえいれば、社員として立場は守られ、雇用が安定し、収入も上がる。
その時代時代において乗り越えなければならない課題はあり、どれも簡単なことなどはないと思いますが、今ここに来て、昭和から平成を経て、企業と個人の関係が変化してきていることは確かです。
1991年〜1993年に起こった平成不況を期に、バブルの崩壊後は企業としても長期的な社員の育成や能力開発などの施策に余裕がなく、短期的な業績成果のみを重視してきた結果、より良い待遇や環境を求める動きが活発となり、人材の流動化が始まりました。
3年間で3人に1人が転職する時代。重要なのは「エンゲージメント」
最近の傾向としては自分自身のキャリアアップやスキル向上を意識している人材は、入社当初から数年以内の転職を計画していると言われています。大手企業においても、若手社員の3人に1人が入社3年目までに辞めるなど、離職率の上昇による育成、戦力化が図れず、人材不足が経営の最重要課題となっています。
中小企業であればなおさら、採用の段階でも募集人員を確保することが難しく、悩まれている人事担当者も少なくはありません。
このような状況が、すべての企業に従来のマネジメントの手法を見直し、組織と個人との新たな関係性を構築せざるを得ないという認識を促しています。
「いったいどうすれば良いのか?」という経営者や人事担当者の方々の抱える悩みは尽きません。
この対策にこれだけやれば良いとかテクノロジーにお任せしておけば、ということは一切ないのです。
しかし、これがなければ何をやっても効果がないというものが「コミュニケーション」なのです。
長年、多くの企業が人材採用時の最も重視する要素として「コミュニケーション力」を挙げており、人と人が理解しあう、つまりは相手を理解し、自分を理解してもらうためのコミュニケーションは人間関係を築くベースとなります。
社員たちは「個人の成長」を最も重要視し、その後押しをしてくれる組織を求めていると言えます。
組織は教育、研修を通して個人の成長を促し、そうした個人の成長が組織の成長につながることを求めています。
終身雇用、年功序列が当たり前だった頃、組織に対するロイヤルティーや帰属意識を高めることが組織力を高めるということだった時代。でも今は、個人と組織の成長の方向性が連動していること、つまり「エンゲージメント」が重要になってきています。
「エンゲージメント」とは「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係」
出典 『日本の人事部』人事労務用語辞典について
育成・活性化をすすめる上でまず「管理職のコミュ力」アップ。
管理職の方々もコミュニケーションが育成のためには必要だとわかっているものの、育成係が同世代か年の離れた上司かでは、人材育成のためのコミュニケーションの取り方も違ってきます。
部下とのコミュニケーションのお悩みとしてこんなご意見は多いのではないでしょうか。
- 相手に伝わらない
- 当たり前レベルだと思っていても、イチから説明しないといけない
- 気持ちを察するということがない
管理職の方々が育ってきた環境と今の若手社員の育ってきた環境は違います。
わかっていながらも、育成係として若手社員の指導に当たっている人たちは自分たちに与えられてきた環境や指導方法に倣ってOJTや育成を行いがちです。
自分たちとすべて同じようにやっていたのでは、このジェネレーションのギャップは埋まらないのです。
コミュニケーションの善し悪しは質と量、タイミングだ!と言われても具体的な行動に落とし込めない管理職・リーダーのお悩みは解決しませんよね。
実は企業の経営者が一番研修や育成を行いたいのは管理職だそうです。
管理職の育成・成長が企業の活性化に繋がると多くの経営者は感じています。
良好な信頼関係の構築、チームビルディングにはヒューマンリレーションを可視化したロジック・ブレインで組織分析してみませんか?
「自分理解」「相手理解」が一目瞭然。